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「ジャズやってます」に変わる言葉を見つけたい

初対面の人、例えば飲み屋のマスターだったり美容院の店員さんだったりと話をしていると、まぁ大体の確率で職業の話になる。


「仕事は何されてるんですか?」

「音楽やってます」

「どんな音楽されてるんですか?」

「ジャズやってます」

「ジャズですか!おしゃれですねー!」


大体ここまでがテンプレ。(もちろんジャズが仕事ではなく趣味の人でもよくある話だと思います)


そこからはまぁ楽器は何してるんですか?とか何年ぐらい音楽してるんですか?とかに枝分かれするんだけども、最終的に「ジャズって難しそうですよね」って言う話に収束していくことが多いんですよ。(そもそもそこまで話がたどり着かずに、他の話題に切り替わることの方が多いかも)


全くジャズを聞いたことのない人にとってのジャズのイメージって「難しい」「何やってるかよくわからない」なんですよね。


だから、それをわかってる“通”な人の聞く「なんだかお洒落な音楽」になっちゃうんではないかと思うんです。 で、確かに現代のジャズって難しいことは多くなってるんですよ。


もともとはそうでは無かったんですけどビバップ以降のジャズから段々と難しくなっていっちゃうんですよね。

コードというものがドンドン研究されていって、色んなスケールが生まれて、色んなアウトの仕方も研究されていって…(詳しく書くと専門的になるのでここでは割愛します)


だから僕達が「おっ!今のフレーズかっこいいなぁ!」とか思っても、わからない人からしたら「なにが?」「なんでみんな喜んでんの?」ってなっちゃうんです。

ただ、中にはアンテナが鋭い人もいて、ジャズを全くしらなくてもそういうのをキャッチして楽しんでくれる人もいますが、そう言う人は稀です。


でもですね、ジャズを一度でも聞いたことのある人ならわかると思うんですけども、そういう細かいニュアンスは伝わらなくても、実は大きいニュアンスでも楽しめちゃうのがジャズの醍醐味だと思うんですよね。


サックスがなんだか激しいことをやってる!

今のピアノ、なんだか綺麗だったなぁー!

とか。


で、最終的に「よくわからないけどカッコよかった!」とか「なんだか聞き心地がよくて気分が安らいだ!」とか思って貰えると僕達は嬉しいし、それって音楽の正しい楽しみ方の一つだと思うんですよね。

細かいニュアンスが分かるとより楽しめるってだけで、これって実は他のアートでもスポーツでも同じなんですよね。

なんだって雰囲気で楽しめるものなんですよ。

ジャズマン=研究者

細かいニュアンス(コードに対してどういう音を選んでいるか、誰のフレーズの模倣か、他の楽器とどういう会話をしているかなど)はそれを演奏している者だけがわかっていればいいと僕は思うんです。

ジャズは研究し続ける事で面白くなるし発展し続ける音楽だから、どうしても全てのプレイヤーが音楽を研究し続けなければいけない。


ここで問題なのが、舞台の上でその研究結果をどう発表するかである。

理論的な演奏か音楽的な演奏かである。(音楽的な演奏というのはまた今度深掘りします)

もっというと、一曲のうち何%が理論的で残った何%が音楽的か、でもいい。

ジャズにおいてはその比率は人それぞれで、だから色んなプレイヤーがいて面白いのだが、要するにジャズと一言でいってもその幅は無茶苦茶広いってことをわかっていただきたい。


花火を見るか炎色反応を見るか

ここで今回の記事のタイトルをようやく話していきます。

我々ジャズマンは基本的には音楽の研究が好きな人間の集まりなのだが、それが弊害となり「ジャズ=聞くのも難しい音楽」という印象をもたれる原因になってしまっている。


研究するのが大好きで、それを全面に出したいプレイヤーならそれでもいいが、そうでないプレイヤー、エンターテイメント性を聞いてもらいたいプレイヤーにとっては大きな問題である。

同じサックスでもBen WebsterとMichael Breckerは「ジャズの人」とひとまとめにしてもいいのだろうか。

ジャズの中でのジャンルの細分化(トラッドやバップやコンテンポラリーなど)はもちろんされているのだけれども、所詮一般の人からしてみれば、それはあくまでも「ジャズの中での」細分化にすぎない。

我々にとっては別物に思えても、リスナーにとっては一括りなのだ。


ならいっそのことジャズという言葉をもっと変えてみてはどうだろう。

例えば「これから炎色反応の研究結果を発表します」といえば、その界隈の研究者か、物好きしか集まらないだろう。

それを「花火大会をします!」といえば驚くほど多くの一般の人々があつまる。(もちろんこれはあくまで例え話なので金属を燃やすだけの炎色反応と花火とでは違うものではあるが)


なので、ジャズをもっと言い換える、細分化した先での新しいジャンル(言葉)になればもっと受け手にわかりやすいのではないだろうか。(それはフュージョンやR&Bなどのジャンルよりもっと細かい単位での話)

つまり、ジャズという言葉のもつ一般の日本人のイメージをひっくり返す言い方はないだろうか。


もっといえばジャンルに名前をつけることにこだわらなくてもいいと思う。


「ビールの似合う音楽」

「ウィスキーの似合う音楽」


違う種類のお酒を頭につけるだけでもなんとなく大衆向けとインテリ向けの差が出てくる。


昨今、SNSが発達してきてあらゆるライブの情報が入ってきてはいるが、フライヤーから得られる情報は殆どが「どのジャンルの音楽をやってるか」の情報しか得られないのではないだろうか?

そのジャンルのなかでも、どのような傾向にある音楽なのかを表すことができれば、もしかしたらもっと聴衆は増えるかもしれない。


長々と書いたが、要約すると(文章が下手なので、何が言いたいかよくわからん、という人は多いとおもいますが、ここだけ読んでもらったら大丈夫です)

ジャズって世間からみたら得体の知れない音楽だから、もっと親しみやすい名前が欲しい

ってことです。


「ジャズやってます」に変わる何かを見つけたい。








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どうも、最近ブログを書いて偉そうに講釈を垂れるのが快感になりつつある佐藤大地です。 で「僕が書く文章はどれも面白いんです。書いた文章はどれもためになるのであなたの心に響くことは間違いなし。もちろん、僕はサックスもとても素晴らしい演奏をするんです。ぜひライブにきてくださいね♪...

 
 
 

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佐藤大地

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